手打ち拉麺と職業訓練学校
私は趣味で麺づくりをしています。
20年以上前になりますが、2002年6月30日に中国西部の蘭州市を訪れ、手打ち拉麺(日本でいう手延べ麺)づくりを見学しました。蘭州市は手打ち拉麺の職業訓練学校が多く集まる、まさに蘭州拉麺の本場です。
拉麺とは、文字通り麺を引っ張って製麺する技法です。1本の麺を2本に、2本を4本に、4本を8本に、8本を16本に、16本を32本に、32本を64本に、64本を128本に──本数を倍々に増やしながら、同時に麺がどんどん細くなっていきます。
見学した当時は、麺線を引っ張る拉麺づくりが簡単そうに見えましたが、実際に挑戦してみると非常に難しく、何度も挑戦しましたがなかなかうまくできず、悩んでいました。
しかし最近、ふとYouTubeを見て再び挑戦したところ、ついに成功しました!
いやー、本当に嬉しかったです。長年の念願だった拉麺づくりが、ようやくかなったのです。YouTubeには本当に感謝しています。
https://www.youtube.com/watch?v=deoPhz4g1is
なぜできなかったのか?
- 麺を引っ張るとすぐに切れてしまい、諦めていた。
- 麺が伸びるメカニズムを理解していなかった。
- 適切な加水率が分からなかった。
- 捏ねる時間が不足していた。
- 水回しが不十分だった。
- 麺の太さを均一にしていなかった。
- 明確なレシピがなかった。
- 手打ちの作業手順を理解していなかった。
なぜできたのか?
- YouTubeのおかげ
麺を引っ張っても切れないようにするポイントをつかんだ。また、そのポイントの理由を理解した。 - 麺が切れずに伸びるためのポイント
- 加水率(粉に対する水の量)を多めにし(ベトベトになるくらい)、小麦粉の粒子にしっかりと水を行き渡らせる水回しが必要です。
- 冬場はぬるま湯にする。
- 食用油を使い、麺の乾燥を防ぐため表面をコーティングして生地を十分ねかせる。ねかせることで粉の粒子に水が浸透する。
- 適切な加水率の発見
- 最低でも60%(小麦粉500gなら、粉に対して水300g)。
- 以前は手打ちうどんの感覚で加水率50%にしていたがやや不足である。
- 捏ねる時間の重要性
- 驚くほど時間を長く捏ねる必要がある。
- 麺の表面がツルツルになるまで捏ね続ける。
- 捏ねることで温度が上がり、ガムのように伸びる状態になる。
- 水回しの工夫
- 手打ちそばの技法と同様に、水回しを丁寧に行う。
- 粉に水を均一に染み込ませ、ダマができたら小麦粉でほぐす。
- 加水は3回に分けて行う。
- 加水後は1時間程度寝かせる。
- 10年前に手打ちそば学校で1年間修行した経験が役立った。
- 麺の太さを均一にする方法
- 両手の手のひらをまっすぐに伸ばし、丸い棒を転がすような動作で伸ばす。
- 手のひらを丸めると、均一な太さにならない。
- 最適なレシピ
- 小麦粉 200g(初心者は薄力粉が適している)
- 水 120g
- 塩 2g
- カンスイ(または重曹) 2g
- 食用油 8〜10g
- 作業分解の重要性
- 蘭州拉麺職業訓練校のビデオをじっくり観察し、作業を分解して実践した。
TWI-JI(仕事の教え方)の手法を使って作業を分解し、ポイントをしっかり押さえたことで、ついに麺づくりに成功しました。これからも、もっと美味しい麺を目指して、工夫と挑戦を重ねていきたいと思います。