TWIを学ぶ(見学会:トヨタ産業技術記念館)

2017年にトヨタ産業技術記念館を見学しました。記念館は名古屋駅から車で約5分とアクセスが良好です。
見学の目的は、トヨタにおけるTWIの仕組みがどのように組み込まれているのかを学ぶことでした。

記念館の歴史

記念館は、トヨタの創始者・豊田佐吉が1911年(明治44年)に自動織機の開発を目的として設立した「豊田自動織布工場」を起源としています。

現在のトヨタグループは、この工場を出発点として発展してきました。

環状織機のシンボル

正面入り口には、「研究と創造」を象徴する環状織機が展示されており、その精巧なメカニズムには圧倒されました。

この環状織機は、「動力を無駄なく用い、超幅広の布を静かに織り上げる」ことを目的に開発されました。発明の要点として、以下の3点が解説されています。

  1. 動力が小さい…回転運動は往復運動よりエネルギーの無駄が少ない
  2. 騒音が小さい…衝撃音(モノとモノがぶつかる音)が小さい
  3. 幅の広い織物ができる…円周の長さは直径の3.14倍である

見学した主なエリア

今回は、大きく分けて「繊維機械館」と「自動車館」の2つのエリアを見学しました。

1. 繊維機械館

ここは、トヨタグループの原点である繊維機械事業を紹介するエリアです。豊田佐吉が発明した自動織機をはじめ、紡績や織布の仕組みを実演付きで学ぶことができます。

佐吉は、「無いものを生み出す技術」として、「糸をつむぐ、布を織る」という技術を考案しました。

2. 自動車館

ここは、トヨタの自動車産業の発展を、実車やエンジンの展示を通して体感できるエリアです。実際に動くエンジンのメカニズムなど、各種のデモンストレーションが人気で、自動車の発展を間近に感じることができます。

豊田喜一郎は、「有るものを作る技術」として、アメリカの自動車を手本にしながら、自動車の仕組みや生産技術の開発に取り組みました。

3. トヨタのTWI

トヨタ産業技術記念館の展示コーナーを見学し、改めてTWI(Training Within Industry)の核心を学ぶことができました。

  • TWI-JI(仕事の教え方):「相手が覚えていないのは、あなたが教えていないからだ!」
  • TWI-JM(改善の仕方):「視点を変えれば、誰でも改善できる!」
  • TWI-JR(人との接し方):「人は、個人として認められれば動く!」
  • TWI-JS(安全な作業のやり方):「安全作業とは、不安全設備と不安全行動の排除である!」

トヨタでは「TWIは監督者の昇格における必修項目である」と聞いたことがあります。

今回、記念館を訪れ、佐吉と喜一郎の足跡を辿ることで、TWIの思想がトヨタグループの歴史に深く根付いていることを実感しました。

4.まとめ

産業技術記念館には見どころが多く、非常に貴重な見学会となりました。
1日では見学時間が足りず、ぜひまた訪れたいと思いました。